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警戒区域内の車両搬出②

9:30 間もなく一時帰宅の説明会

 

 着席する前に

 防護服、ビニール袋、手袋、マスク、帽子、軽食、が配布されました。

 

 そして、問診表も受け取ります。 

 

問診表には 「今日の体調はいいですか?」 「現在妊娠されていますか?」 「ヨウ素剤を飲んだことがありますか?」 「それを飲んで副作用はありましたか?」等、約20項目の質問。

当然、ヨウ素剤など飲んだことはありません。    万が一の時には飲む事になるのでしょうか…

記入後、軽食の水とパンを食するようにとの案内。 

 

説明会の前に東京電力から、今回の原子力災害についての謝罪がありました。

会場にいた20人以上の社員全員が一列に並び、深々と頭を下げること数秒間、会場が一瞬静まり返りました。

怒号が飛び交うこともなく、淡々と過ぎる数秒間、今回の原子力災害の責任の所在は誰にあるのか、東京電力なのか、国なのか、それとも誘致した自治体なのか、町議会議員を選んだ町民なのか、私でさえ考えてしまう数秒間でした。

 

9:42 一時帰宅の説明会開始

まずは防護服を着用します。    東京電力社員の実演付きです。

現在は長袖・長ズボンなら警戒区域内に立ち入りできるようですが、本日は雨模様、現在でも3〜4マイクロシーベルト毎時の放射線数値とのことなので、リスクを少しでも低くするべく、私は防護服を着ることにしました。

マスク、手袋、靴カバーも着用

 

 この防護服には放射線軽減効果はなく、あくまでも放射性物質が衣服に付着するのを防ぐためのものだそうです。

 防護服を着ると誰か分からなくなるため、背中にあらかじめ割り振られた固有の番号が貼られます。

 会場には防護服を纏った約200人の集団、少し緊張感を覚えます。

 

一時帰宅の方法は、、、

同じ区域の住民の方が専用のマイクロバスに乗り、それぞれの自宅を巡回。

自宅に着いたら、車を持ち出しして、乗ってきたバスに追従し、次の方の自宅に向かいます。

バスに乗っている方は、その間待機。 全員ひとかたまりとなって動きます。

これを人数分繰り返すという方法のようです。

 

今日はマイクロバスが10台位待機してます。バス1台に先導車1台、JAF1台が同行するとのこと。

震災以降、車は放置なので、当然バッテリー上がりの車が多数あると予想されます。

そこでJAFが同行してくれるのですが、JAFが応急処置をしてくれる時間は、1台につきわずか10分。

10分を超えた場合には車は持ち出しできません。

これから持ち出しする A4 のエンジンがかかるのを祈るのみです。

 

一通り説明は終了。  これからそれぞれの地域行きのマイクロバスに乗り込み、自宅へ向かいます。

私が乗るのは「富岡町3号車」

富岡町だけで5号車までありました。

 

10:27 マイクロバスへ乗車 

 

 20人位はいるでしょうか?

 バスの中は、シートも床もピンク色の布?で覆われています。

 放射性物質が付着しないようにとの処置なのでしょう。

 放射線数値を測るガイガーカウンターを持った東京電力社員も同行。

 

これから、帰ってくるまではトイレも食事もできません。

 

台風が来ているので、外は雨模様。加えて風も出てきました。

長袖・長ズボンに防護服、高い湿度。

ディーゼルのエンジン音と、路面の不快な振動。 マスクをしているので少し息苦しいです。

自分の呼吸音だけが妙に大きく聞こえるような現実感のない空間です。

 

広野町体育間を出て、走ること約10分。

間もなく警戒区域の入り口に着きます。

H.Nanaumi

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